勉強とは学生だけがするものではありません。学校を卒業して社会に出てからも、仕事を覚えたり資格を取得したりと、勉強することはたくさんあります。勉強の仕方は人それぞれですが、なるべく効率よく勉強したいものです。
今回は、ウィリアムズ大学で認知心理学を専門とするネイト・コーネル博士が勧める、効率よく勉強するための3つの心得を紹介します。
嫌なことを受け入れる
たとえばダンベルを使う運動では、ダンベルを軽くするほど楽になりますが、効果はあまり期待できません。それは勉強でも同様で、楽をするほど勉強の効果は低くなってしまいます。簡単な勉強はどんどん進んで気分が良いですが、それではあまり得るものがありません。大変な思いをしているときこそ、新しいことを覚えているのです。何かを成し遂げる人というのは、簡単には満足しないものです。嫌なことを受け入れ、新しいことに挑戦し続ける気持ちが大切です。
詰め込まない
詰め込みは、試験前夜のように一時的にたくさん覚えるには効果的かもしれません。しかし、一時的に詰め込んだ情報が長期間持続することはほとんどありません。
長期的に記憶を持続させるには、期間を空けて記憶し直すことが大切です。一度忘れた情報を、期間を置いて何度も覚え直すことで、脳に記憶が定着します。
こんな実験があります。まったく意味のない単語を10個覚えてもらい経過をテストします。すると、4時間後には平均で5個しか覚えていません。ところが一度すべて忘れてしまった後、同じ10個を覚えると4時間後にも平均7個ほど覚えているのです。
関連づけて覚える
本を読みながら何かを覚えようとするときは、できるだけ多くの情報と関連づけるようにします。ときどき読むのをやめて、いま読んでいる本の内容がこれまでに読んだ他の情報とどのように関係するかを考えましょう。さらに、自分や友人が経験した過去の出来事と結びつけて考えましょう。そのようにして、身の回りの多くの物や出来事とたくさん関連づけるほど記憶が定着しやすくなります。時間はかかりますが、効果的な記憶法です。
何らかのイメージと結びつけて覚えたものは忘れにくい記憶となります。一方、ひとつひとつバラバラに覚えたものは、記憶としてなかなか定着しません。